日日のクラフト MIU 美卯 松本民芸家具・世界の民芸・雑貨
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ギャラリー&インテリア 美卯 〜つれづれに〜

今、書斎のような机が欲しい!そんな方にー☺

[ 2021-05-01 15:53 ]

風薫る5月となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか、美卯オーナーです。

せっかくの心地よい季節ですがまだまだコロナ19との付き合いはしばらく続きそうですね。

ステイホームや在宅勤務などお家時間が増えたけれど書斎があるわけでなく手軽にワーキングスペースが欲しいと思われている方にお勧めなのが、

ライティングビューロー。
writing =書く+bureau=引出収納 という複合的な機能を持った家具であり、コンパクトに一台二役という日本の住宅事情にとてもあった家具です。

現代日本の住宅では自宅に大人個人のプライベート空間を設けてきませんでした。
いつかは書斎を持ちたいと思っていてもスペースに限りがありまた子育て優先です(^^ゞ

でも自分だけの落ち着ける空間を手軽に手に入れることができたら・・・そんな大人にライティングビューローは最適なのです。

一見すると収納家具のようですが、上部の扉を開けばワーキング空間に早変わり、またほぼ目線の高さまで躯体があるので周りから独立した空間を形づくってくれます。


松本民芸家具では長年数多くの種類のライティングビューローを製作。
時代の変化に対応した改良を重ね写真の【S型ビューロー】(幅84.5cm 奥行45cm 高104cm)はA4サイズのファイルが収納できます。

また背面にコンセント用開閉窓がついており、A4サイズのノートパソコンも置けます。


S型よりコンパクトなTM型ビューロー(幅82cm 奥行42.5cm 高104cm)もあります。
また、ご要望によりご希望の仕様のオーダーも申し受けております。

私は松本民芸家具のビューローの上部に本棚のついているタイプ【重H型ボールフットビューロー】を40年ほど愛用してきました。
現在は美卯店内にて展示させて頂いてますので足をお運び下さればご覧になれます☺ご来店お待ちしております。

またホームページのお問合せフォームから、お電話でのお問合せも大歓迎です。どうぞお気軽にアクセス下さい。

#書斎のようなデスク #収納上手なデスク #松本民芸家具修理カスタマイズ #コンパクトな収納つきデスク

 

 

自画像展 一宮市三岸節子記念美術館

[ 2021-03-06 15:42 ]

春は嵐と落ち着かない天候ですが各地からの花の便りについ心が弾みます、美卯オーナーです。

さて先日の休業日に地元の三岸節子記念美術館にて14日(日)まで開催中の
『自画像展』~ひとみの中に自分がいる~
を、観てきました。

画家・三岸節子に関る日本西洋画の黎明期から現代まで活躍する主に愛知県出身洋画家の若き自画像の特集です。

黒田清輝をはじめ期待されながらも早世した画家の自画像などもありまた、民藝ともかかわりの深い白樺派の画家の作品が出品され、
作品の解説の中には柳宗悦先生や武者小路実篤先生など登場しているなど、改めて日本西洋美術界創世記における白樺派同人の活躍を垣間見ることができました。


今回の「自画像」というこの企画は評判が良いようで、私も後に日本画壇をけん引された先生方が若き日に自分とどのように向き合ったかを感じたくて観にいってきました。

自画像は主に自身を鏡で写し見ながら描かれたようですが、正面を鋭い眼光で睨みつけるような作品があれば、わざとニヒルに視線を外しているもの、
自身の未来への不安を投影するかのように遠くに目線をさまよわせているものなど多様で、画家である以前に一人の人間としての迷いや不安、画家としての未来への希望や自負などその時々の写真では描けない画家の深い内面を投影していて一作一作が興味深いものでした。

3月14日(日)までの開催になります。まだの方お急ぎくださいね☺

民族の十字路と民藝

[ 2020-12-08 17:07 ]

昼間の日差しがオレンジ色を帯び冬至が近いことを感じる今日、美卯オーナーです。



写真は美卯玄関でお客様をお迎えしているアフガニスタン製のキリム絨毯です。

アフガニスタンは日本人医師・中村 哲先生が戦乱からの復興のために生涯をかけられた地ですが、
この国を始め周囲の国々は民族の十字路と呼ばれる古代から多くの民族、文明文化が行き交う複雑な地域です。

改めて調べてみると民族の定義自体とても難しく、スッパリと答えられるものではないとわかります。
ただ現地に行かれた方や出身の方からお話を聴くと民族というより部族といった繋がりの集団が血族などでコミュニティを形成しており、他の部族に対して警戒心が強く、当然とはいえ自分たちの部族の利益が最優先であり国家としてもまとまりを作るのが難しいのが現状です。中村先生の事件も現地の部族同時の水利権が関係しているのではないかと言われていますが、いまだ真実は霧の中。

私が学生の頃は植民地からアフリカ、アジアの開放がトレンドであり、民族主義というワードに良き未来への光を感じていたものですが、数十年たった現在はその言葉に複雑な思い。民族、部族の違い、国家体制の違いなどによる排外主義の広がりに心が重くなるばかりです。

浅学な自分が語るべきではありませんが、民藝の民は大衆のみを表しているにあらず、民族の多様性の素晴らしさにも繋がっていると私は思っています。

民族の違いを争いの種にするのではなくその違いから生まれる文明文化技術の多様性にこそ人間を豊かに幸せにする種があるのではないでしょうか。
そのことに最も早く気づかれていたのが『民藝』を提唱された柳宗悦先生です。

美卯にはキリムをはじめ様々な国の民芸品があります。それぞれが固有の美しい特徴を持ちながらも、また一方で遠く離れたところで作られた品であってもどこかデザインや技法に共通点がみられたりして、日々民芸品と付き合う中で様々に新しい発見があり楽しく興味が尽きません。
多様であることが争いの元になるのではなくお互いを尊重し認め合い共に豊かに幸せになるための種になって欲しいと一民藝やとしては願わずにはおれません。

 

仏様のご縁でしょうか

[ 2020-07-30 19:17 ]

7月も終わろうとしているのにまだ梅雨明けならず、美卯オーナーです。



写真のこのピッチャーはオーナーお気に入りの一品。
小鹿田焼の名工・柳瀬朝夫さんが作陶されたものと伺っています。
フォルムが良く、また打掛けのかかり具合に惹かれて大切にしてきました。
ですが、あるお客様もずっと心に留め置かれていて先日お買い上げ頂きました。
別れは寂しいのですが、良い方に貰われて行って安心したところ、
同じ日に柳瀬朝夫さんの訃報を知りました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
これも仏様のご縁だったのでしょうか、お求め下さったのはあるお寺のご住職様なのでした。

 

新入荷 小諸天池窯のうつわ

[ 2019-09-07 19:51 ]

 九月の宵というのに、もの凄く蒸し暑い尾張一宮から美卯オーナーです。w台風が大過ありませんように。

さて涼しい信州の新鮮な風が懐かしい今日この頃ですが、その東信州の小諸から天池窯のうつわが初お目見えです。

信州生まれだけにお蕎麦に合いそうなうつわも☺

この天池窯は岡本一道さんが40年以上前に小諸に開かれた窯元です。
岡本さんとは数年前に佐久市で開かれた民藝夏期学校でご一緒させて頂き、そのご縁で今回うつわをわけて頂きました。

岡本さんはなんと!ロクロの電源に風力・太陽光発電を利用するなど自然に親しみながら作陶されていて、「手仕事のスピードで暮らそうよ」と常々語られているとか。

信州の懐深い自然の中で生まれ育ったうつわの数々、あなたの日日の暮らしのお仲間にお加えくださいね。

#小諸天池窯のうつわ #信州の陶器

さよならぶーちゃん

[ 2019-09-05 13:27 ]

 昨晩は突然の大嵐に冷や冷やドキドキでした、美卯オーナーです。
美卯のある尾張地方は連日蒸し暑くてたまらないのですが、昨日の嵐など着実に季節は変わり目を迎えているようです。

ところで美卯では季節感も大切にしており、店では季節を少し先取りした展示を心掛けています。
なので先日夏物を片付けましたが、その日のうちに何と!その一つにお問合せを頂きました。

それはかつて夏の風物代表「蚊遣り豚」

この「蚊遣り豚」出身は何と華のお江戸は浅草・今戸焼。現在でも招き猫や干支の置物などで有名です。
時代の流れでしょうか、蚊遣りは現在今戸焼では作られておらず、お求めのお客様は方々探しておられたのだそう―。

ネット時代の凄さといいましょうか?お客様は美卯HPの片隅に写っていたこの「今戸焼の蚊遣り豚」を“発見”、早速当店までお問い合わせのご連絡を頂いたという次第\(◎o◎)/!

この蚊遣り豚は美卯でも仕入れてからかなり年数を経ておりこのお品が最後の一つでした。
店もそれなりに長いことやっていると掘り出し物があるようですな☺

、、、という次第でお江戸出身の今戸焼蚊遣り豚ちゃんはこの度尾張一宮よりお江戸にお嫁入りとあいなりました☺
大切にして下さる方にお届けできて、店主としては何よりも無上の喜びです!!!(ちょっとさびしいけれど^^;)

新入荷・キャプテンチェア

[ 2019-09-01 18:24 ]

 9月になりました。気分一新で頑張ります、美卯オーナーです。
今日は新しくお店の展示に登場した家具をご紹介します。
定番の品で以前にも展示していたのですが、先の製品はお客様に見初められて無事嫁いで行き暫く空席になっておりました。

新店舗に移って改めてデビューです。
それは#91型 キャプテンチェア!
松本民芸家具の椅子の中でも特に大人気の椅子です。

その人気の秘密は数あるウィンザーチェアの中でもキャプテンチェアはローバックで取り回しが容易で頑丈、快適な座り心地があげられると思います。そして簡素な美しさを備えており正に民藝の美を感じさせてくれます。

このキャプテンチェアの故郷は意外な事にアメリカにあるよう。
17世紀後半頃にイギリスの農村で生まれたウィンザーチェアは1720年代に当時イギリスの植民地であったアメリカに伝わり、そこで独自の進化と発展とげ、やがてキャプテンチェアとよばれる椅子たちが製造されるようになります。このキャプテンチェアは評判となり、イギリス本国に逆輸入されるほどになりました。

キャプテンチェアのキャプテン【captain】は=統率者 船長 機長などと訳されますが、製造され始めた頃はミシシッピ川の蒸気船や大西洋岸の定期船の船長室などで使われたことが名前の由来と関係しているようです。

松本民芸家具ではこのキャプテンチェアを研究し日本人に最適な優れたキャプテンチェアを製作しております。
百聞は一見に如(し)かず、是非美卯にてキャプテンチェアに直に触れ、座って体験してみて下さい。

ご来店お待ちしております。

#キャプテンチェア #松本民芸家具キャプテンチェア

大河ドラマ『いだてん』

[ 2019-02-14 17:56 ]

寒い寒いと言いながら本日は今年の桜の開花予想第2報が発表されました。
確実に春への歩みが進んでいます。また今日はバレンタインデー!あまり関係がなくとも心が弾む美卯オーナーです☺


さて、今年のNHK大河ドラマは大河らしくないとの評判からかちょっと視聴率が苦戦しているようですね。
私も今年はあまり興味が湧かないので見ないでおこうかと思っていたのですが、嘉納治五郎がメインキャストということで見始めたところ・・・面白い!ではありませんか。
嘉納治五郎役の役所広司さんの好演もあって毎回楽しませて頂いてます。

その嘉納治五郎さんといえば、彼は民藝の父である柳宗悦先生の実の叔父さん(母の実弟)なのです。
常々軍人であり貴族議員であった父を持つ柳宗悦がなぜにあれだけ視野が広く自由闊達であったかを考えるにとても不思議だったのですが、身近な親族に嘉納治五郎がいたという事で納得しました。

とはいえ、私自身このドラマを見るまで嘉納治五郎は日本の柔道の創始者であることぐらいの知識しかありませんでした。
彼が明治期に近代日本社会の様々な文化的枠組みを作るためにどれほど重要な役割を果たしたか知って心底驚き、自分の無知がかなり恥ずかしい。

東洋で初めてのIOC委員になり日本初のオリンピック参加から幻の東京オリンピックまで、道なき道を作り上げるパワーに圧倒されっぱなし。
こんな叔父さんの活躍を間近に見て甥が影響を受けないわけがない。柳先生の人生の軌跡と驚くほど共通性を感じます。
実際に嘉納治五郎が千葉県我孫子市に別荘を持つと柳一家は我孫子市に自宅を構え、そこがまた白樺派の活動の拠点になったことはとても知られています。

大河『いだてん』の中でエピソードとして語られましたが、嘉納が借金までして自費で多数の清国からの中国人留学生を招き教育した姿と、後世柳先生が朝鮮人へ向けた眼差しに通底するものを感じます。この中国人留学生からは後に中国で文学革命の旗手となった魯迅などを輩出しています。(凄いな~(@_@))

これからしばらく主人公と共に大活躍の嘉納治五郎先生の姿が見られる『いだてん』!!!
日曜日の夜を愉しく過ごせそうです。

倉敷で宿をお探しならー

[ 2018-12-09 17:04 ]

寒くなりましたね―。
数日前から比べると10℃以上もの気温の急降下に“こたつ猫”になりたい美卯オーナーです。

さて、今日ご紹介したいのは築100年の古民家を改装して作られた「滔々 倉敷町家の宿」。
倉敷の大原美術館すぐ南側にあって、歴史美観地区に隣接しているので観光にとても便利です。


こちらは倉敷で30余年にわたって多くの方々に愛された「クラフト&ギャラリー幹」さんから引き継がれた建物をギャラリーと宿泊施設として新たに今年、平成30年6月から開業されました。

改装にあたって「宿で過ごす時間が、快適で心からくつろぐことのできるものとなることを願い、豪奢ではないが良質であること、人の意図や配慮が感じられること、年月を重ねるごとに趣をましていく素材を用いることをコンセプトに、細部にまでこだわり仕上げていきました。」とのことで、木の香りを感じながら心地よく過ごせそうな古民家です。

置かれている道具や調度品もこだわりの手仕事によるモノで、宿で使ってみて気に入ったらギャラリー滔々で購入もできるそうです。


一日一組限定。宿泊人数は2名~5名。素泊まり。食事は、界隈にある郷土料理や地酒をたのしめる場所をご案内とのこと。
キッチンと調理器具、レンジ、食器が備え付けられているので、街で購入した民芸品を早速使って宿で仲間と楽しく旅を満喫できそうです。

滔々のマネージャーである、ファースト 理恵さんにこのお宿とギャラリーを案内して頂きましたが、ここには泊まるというより住んでみたくなるほど心地よい空気が流れていました。

もし友人たちと連れ立って倉敷を再訪するなら絶対泊まってみたい古民家の宿です☺

詳しくは↓

https://toutou-kurashiki.jp/stay1/

 

路線バスで行く「起街道プチ漫遊」

[ 2018-12-03 16:34 ]

ちょっとご無沙汰しておりました、美卯オーナーです。
実はまだ9月の倉敷フォーラムについてまだ書き切っていないのですが、
今日は先日地元FMコミュニティラジオ・iWAVEに出演して私が取材、
ご紹介させて頂いた路線バスを使ったわが街のプチ旅を再掲します。
ちょっとお出掛けのご参考に、また地域外の方には江戸時代東海道の要でも
あった起街道と起宿地区を知っていただく契機になればと思います。



こんばんは。この頃は朝晩冷え込んで街の風景も初冬の佇まいになってきましたね。ただ本格的に寒くなる前にもうちょっと街を楽しもうと今日は「路線バスで巡る起街道」というテーマでお話したいと思います。
今回取り上げるのは一宮駅バスセンターから駅の西側、八幡通りを経て起街道を走る名鉄バスの起線です。

ちょっと脱線ですが、昔この路線を電車が走っていたのはご存じですか?
実は私はちょっと・・・乗り鉄なので調べた所、この起街道には大正13年から、昭和28年に廃線になるまで単線の電車が通っていたそうです。今西松屋になっている所に車庫があったのですが、行ってみても往時の痕跡は見られずに鉄オタとしてはちょっと残念なのですが・・・。

さて話が脱線しましたが、本題に戻って、いよいよ起街道の面白い所を巡るバス旅始めたいと思います。
では、まずバスの旅を始める前に用意して頂きたいモノがあります。
それは名鉄バスの一日乗車券「一宮おでかけバス手形」!!!まずこれを購入して下さい。
何度も乗降りしてあちこち巡るのでこれは便利です。しかも断然お安くてお得。
ただ降車時間が決められていて平日は10時~16時、土日は終日OKです。市内のバス全てが乗り降り自由で、
料金は中学生以上600円、小学生300円です。一宮バスターミナルか車内でも購入出来るそうです。

このバス手形をゲットしたら一宮駅バスセンターから起行きに乗車、出発です。
ゆらゆらとバスに揺られて15分ほど、最初にご紹介する篭屋バス停留所に到着します。
ここの見どころは、のこぎり二という旧平松毛織物株式会社の織物工場であった5棟連なった大きなノコギリ屋根工場です。

一宮あたりでは喫茶店以上に良く見かけるのこぎりやね工場ですが、数でいったら日本一だという事が近年わかってきました。以前一番と豪語していた群馬県の桐生市よりもはるかに多い事が判明したんですが、余りにも多くていろんな団体が調べてはいるのですが未だに正確な数は判らないそうです。(推計2500棟、桐生の10倍?)しかも老朽化で最近どんどん取り壊しが進んで少なくなってきています。

ノコギリ屋根工場の現状はこういった所ですが、今回訪ねたのこぎり二では使われなくなった工場にもう一度光を当てその歴史と意義を考えようとワークショップを行う一方、その利活用として現在、アート作品の展示場や演奏会の開かれるホールとアトリエとして作品の製作現場として公開されています。また最近ではションヘル織機が3台保管されるなど、かつての織物工場だったアイデンティティを大切にしつつ、元気な地域づくりに活用されています。また敷地内にはノコギリ屋根倉庫をおしゃれに改装したユタカフェがあってランチや手作りのお菓子が評判になっているんですよ。

そこでビッグニュース!
こうした活動が評価されて、この度ここ「のこぎり二」さんが国際なかなか遺産委員会から「なかなか遺産」として認定されることになり、その認定式典がのこ二で開催されることになりました。今日は国際なかなか遺産委員会についての説明は時間の関係上割愛させて頂きますが、
式典日時は12月15日(土)13時~15時 認証式とその意義について、東大の先生から講演があり、その後ノコギリ屋根の折り紙教室があります。ご興味のある方どなたでも参加できるので、詳しくは篭屋四丁目11-3 平松毛織株式会社までお問い合わせ下さい。

ノコギリ屋根を見学したら先ほど降りた停留所から再びバスに乗車して次の目的地へ向かいます。篭屋バス停から6つ先の起工高・三岸美術館前で降りてしばし美術館で三岸節子先生の作品や特別展の鑑賞を楽しんで下さい。

さて、ここまで来るとちょっと小腹がすいたのではないかと思います☺
なので次の新栄町までひとつ乗車して降りて、尾西起郵便局の反対側の路地の中にある昔懐かしの駄菓子屋「大野屋」でお好み焼きや焼きそば、おでんを買い食いするのはどうでしょう☺
、、、駄菓子屋って好きですか?気分は子供の頃にタイムスリップしますよね。

そして大野屋さんのさらに奥の方には旧田内織布さんが所有する立派な古民家があります。
ここでは古民家や蔵を活かした様々な展示やイベントが随時行われているのですが、とても立派なお座敷や茶室とか大胆な大きさの灯篭が庭にあって、昭和13年頃の起の街の隆盛ぶりがわかる豪勢さなので機会があったらこちらも是非訪ねてみて下さい。。最新の情報ではちょっと先になりますが、来年の2月11日(祝)にライブとマーケット・展示が開催される予定です。

さてさてバスの旅はさらに続き新栄町バス停から更に先に進みますが、ここからバスに乗る時は注意です。この路線には実質終点がない!のです。一宮駅発起行のバスの終着点は実際は一宮駅に戻る形になっていて、尾張中島バス停からバスの路線は循環バスのように走っています。ですからバスの進行方向は変わりないのに、この辺りから車両の先頭にある行先表示が起から一宮駅行に代わっているので、初めてこのバス路線に乗る人はびっくりするかと思います。私もびっくりした一人です。

更に進んで新栄町から一駅、いよいよルート上一番西にある起停留所に到着です。
停留所の近くに尾西歴史民俗資料館と別館の旧林家住宅があって中を見学できます。
資料館ではかつて街道の要衝であった起の歴史的重要性が学べ、また隣にある旧林家住宅は脇本陣の流れを汲む国登録有形文化財で、江戸時代の伝統的な町屋建築様式を現代に伝えています。(写真)
ここには四季折々の木々がとてもきれいな庭があって和室から眺めて何時間でものんびりゆったり過ごしたくなります。特に新緑や紅葉の時期はインスタ映えすると思いますよ☺

こうして旧林家住宅でまったり過ごした後は起バス停から再び乗車、バスは坂を木曽川の堤防へ向かって登っていきます。

、、、そして登り切った瞬間!!!
視野がいきなり一気に開けて広がる木曽川や養老山脈が一望できます。
これがハッと息をのむ美しさ。バスは視点が高いので周りがよく見えるんですね。
特に夕日が素晴らしいのでその時刻を狙ってバスに乗るのをお勧めします。

バスはこの堤防からループして濃尾大橋の手前で一宮駅の方角へ戻る様に大垣線に入って行きます。

次に降りるのは濃尾大橋口停留所。ここからは湊屋(旧湊屋文右衛門邸)への最寄りの停留所になります。
湊屋は船を使った物流を生業としていた商家の建物だったのですが、明治24年の濃尾地震ではこの辺り、起宿の家屋がほぼ全滅する中で残った数少ない貴重な日本建築です。現在では週に三日ほどカフェとして公開されていますが、玄関を入ってすぐに広い座敷があるなど当時の商いの隆盛ぶりが偲ばれるようです。様々な人々が行き交ったのでしょうね。
このすぐ近くには愛知県指定史跡の起渡船場、つまり起から木曽川を渡る船の乗り場の跡があって、常夜灯が残っています。

さてさて、バスに戻っていよいよ旅は最後の途中下車、みずほ興業前で降車します。
ここから少々歩きますが小信中島公民館・墨会館へ行きましょう。
この墨会館は愛知県下唯一の建築家・丹下健三の設計の建物です。

1957年竣工。こちらも国の指定文化財です。艶金興業株式会社の本社として建築されました。この建物は丹下健三が国立代々木競技場の設計で名をはせる以前の建物で、初期の作品として評価があるようです。
中庭を挟んで事務棟とホールに分かれていますが、このホールが近未来的な特徴のある造りになっているので一見の価値がありです。信じられないくらい素敵なホールなので私としてはもっと活用が進むことを期待したいですね。

以上バスで巡る起街道の旅、駆け足でご紹介しましたがいかがでしょうか?
ちょっと盛り込み過ぎで一日で廻りきらないかもですが、気軽に行けるプチ旅行としておすすめします。

またこの行程なら自転車で廻るのもいいかもしれません。

自転車といえば、3年前の11月に「ツイードラン尾州」というクラシックなツイード生地の服をドレスコードとした自転車のサイクリングイベントがありました。今回ご紹介した起地区を含む尾州織物に関連する場所を巡ったそうです。その時の様子を写真家・末松グニエ文さんが記録した写真展が12月に開かれるのでその情報もお伝えします。

「ツイードラン尾州一宮・犬山写真展」12月21日(金)~23日(日)場所 オリナス一宮 入場無料
本町商店街の中にあるので、ここではさらに手軽に旅気分が味わうことができるのではないでしょうか?☺

今日は身近なバスの旅をご紹介しました。遠くへ旅するのもいいのですが、ご近所にも意外な発見があるかもしれません。思いついたらパッといけるこんな路線バスの旅へ是非お出掛け下さい。

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