飛騨・渋草焼窯元にて2 建物編
[ 2017-09-29 16:35 ]
秋が深まり毎夜見る月がとても美しいですね、美卯オーナーです。
ブログは8月の民藝夏期学校の生地の続きです^^;
前回は高山の渋草焼窯元にて陶器がつくる手仕事をレポートしましたが、今日は工房の建物についてー。
幕府直轄地であった高山にあって半官半民にて経営されてきた渋草焼は明治維新の荒波の中で存続の危機を迎えますが、
明治11年地元高山の有志によって再建され、現在の渋草焼窯元・芳国舎(勝海舟命名)となります。
今回お訪ねした工房はその当時、明治12年に建てられ現在は高山市の文化財になっています。
古民家好きとしてはたまらない土蔵づくりのしっかりとした建物であり、その中で今も日々手仕事が続けられていることはとても感慨深いことでした。
この工房の建物の特徴としてビックリしたのが、2階の床。
何と!2階なのに土間になっています。
寒い飛騨の冬を越すために防寒対策として2階の床に土を厚く敷き詰めているのだとかー。
お蔭で真冬でも工房一階の気温は氷点下ならないのだそうです。
先人の知恵畏るべしですが、重い土の重量と厳しい気候に永年耐えてきたこの建物の耐久力には脱帽ですね。
また文化財という事もあってか大変大切に建物やその周辺が整えられていることも素晴らしく、
工房のすぐ傍には今では使われなくなった登り窯の後もあって、その歴史の深まりを感じました。
渋草焼窯元・芳国舎についてこちら↓の記事もご参考に―
https://www.takayama-gh.com/tabaru/article/sibukusayaki02/
飛騨・渋草焼窯元にて1
[ 2017-09-25 15:39 ]
日本民藝夏期学校二日目はモノづくりの現場を見学しました。
二日目の集合場所である日下部民芸館から出発して途中、高山のシンボル・乗鞍岳を車中から眺めながら到着したのが
渋草焼・窯元 芳国舎さんの工房でした。
渋草焼は江戸時代、幕府直轄の天領であった高山の渋草の地に半官半民の陶磁器製造所として1841年に誕生。
なぜ渋草に開窯されたかというと、この地から良質な原料である「渋草陶石」が発見されたからといいます。
開窯するにあたって尾張瀬戸や加賀久谷といった本場から職人を招き飛騨九谷、飛騨赤絵と呼ばれる陶器を産み出しました。
九谷、有田、京、瀬戸、美濃に学び明治時代にはパリ万博に出展するなど内外に活躍。
製品の特長として高温、長時間焼成と独自の釉薬・絵具を使うことにより丈夫で独自の美しさを持つ陶磁器です。
また、美しい白肌を生かした手描きによる絵付けはその造形と共に渋草調と呼ばれその技術は代々受け継がれてきました。
今回はこの絵付けの過程を見学することが出来とても興味深く拝見させて頂きました。
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