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ギャラリー&インテリア 美卯 〜つれづれに〜

忘れない 1.17

[ 2018-01-17 18:40 ]

今日は冷たい雨の一日になりました、23年前のあの日はどうであったかと思う美卯オーナーです。

23年前の1月17日は私にとっても深く刻まれる日となりました。
当時は15日が成人の日であり、お正月の余韻と相まってまだフワフワとした雰囲気の時期に突然襲った大厄でした。

そして現在、その神戸には阪神大震災を経験された方々がボランティアとして東北大震災と熊本地震の復興に支援活動されている民間のグループがいくつもあります。

そういったグループがいくつも集まって定期的にお互いの活動を報告、研究する『3・11復興塾』という勉強会があり、先週の11日(基本開催日は11日)に防災と減災を研究している友人と愛知から神戸まで出掛けて参加させて頂きました。

その集会に先立ち私たち二人は現在も震災遺構として被災当時のままに保存されているメリケン波止場の一部(岸壁60m)へ。
そこでは併設されている神戸港の被災の状況、復旧の過程など記録した模型や映像、写真パネルもみることができました

次に「人と防災未来センター」へ。
ここは「阪神・淡路大震災の経験と教訓を継承し、防災・減災の実現のために必要な情報を発信する施設」として設立されました。
圧巻だったのは震災追体験フロア(1.17シアター)。
地震で破壊される町や鉄道・高速道路を詳細な再現映像で体験する「5:46の衝撃」を見ることができます。
これがあまりにリアルな合成映像であったのでタイトルそのまま、衝撃!を受けました。
このまるで巨大怪獣が出現して街中を揺さぶり破壊しつくしたかのような映像に囲まれていると、自分のような小さな人間など巨大な地震のエネルギーの中では塵のような存在で無力であることを思い知らされ、打ちのめされたような気持に、、、。

続くとなりの展示ゾーンでは発災直後の街がリアルな大きさでジオラマになっており、再現された街の暗さに(実際は停電で真っ暗)夜明けまでの2時間がどれほど恐ろしく不安な時間であったかが想像できて胸が詰まりそうになりました。

震災当時は物凄い報道のシャワー状態で愛知に居ながらも様々の事を見聞きしてそれなりに知っているつもりでしたが、23年という時間の流れがその情報の多くを如何に忘れさせているかをこれら関連施設の見学で思い知らされました。
どちらの施設もわかり易く防災・減災が学べますのでどなた様も是非足を運んでいただけたらと思います。
神戸という土地柄か、外国人の方の見学も多かったですよ。

 そして―、いよいよ3.11復興塾へ参加ー。
集会では3組の方がそれぞれの取り組んでいる課題や活動について報告がされました。
東北では復興格差が顕著になっていることや、震災から20年以上経過した神戸では借り上げ住宅の賃貸期限問題など新たな課題があることなど被災の影響は予想より長く根深く続くことを学びました。

この場に参加されている皆さんはボランティアで活動費は自腹。それぞれが本業を持ち、自身のスキルを生かしながら活動されている姿には内心頭を下げるばかりです。
この情熱の源はどこからなのか、、、、それは、ディスカッションを進める中それぞれの震災体験にあるということがとても伝わってきます。
またこれほど活発で忌憚のない意見が飛び交う集まりは日本ではそうそうないのではないかと思ったほどで、震災体験という深い絆で繋がっているからこそこのような関係が築けてきたのではないでしょうか?
厳しい現実があるからこその神戸の皆さんの強さに触れ、また翻って災害を忘れたかのようなぬるま湯のような日常のを送っている我々の地元を思うと正直やるせなさも、、、。

この旅は私にとって防災・減災に対する原点回帰になりました。




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